【イタリア・バーリ】イタリアーノに口説かれた話

 

イタリアーノは情熱的だ。

夜中の街角ではよく男女が抱き合っているし、朝1番のカフェでも対面に座ればいいものの、わざわざ隣の席でお互いを見つめ合いながら世間話をする。

 

なんだかんだで、みんながジローラモ。

そのくせ、ハットを被ってエスプレッソをすする姿はカッコいいからずるい。

 

日本でこれくらい街中でチューできたら、どんなに楽しいことだろうと思うのだけれど。

まさか、その情熱が自分に向けられることになるとは。

というわけで今回は、ぼくが口説かれたお話。

 

とよしま、口説かれる

舞台はアドリア海を渡った先、イタリアのかかとにある港街、バーリ。

洗濯物が彩る街並みを見ると、ヨーロッパに来たぞという感じがした。

その日のうちにローマに向かう予定だったのだけれど、夜行までの時間は半日以上。

バーリにはなんと両替屋がないので、なけなしのお金でバーガーキングを食べる。

ハンバーガーふたつとコーラで4時間粘り、さすがに悪い気がしたので外へ。

 

「どうするかなー」と、駅前の噴水広場で待ちぼうけていたところだった。

電話をかけながら、ぼくの横に腰掛けるおじさま。

似ていたので、コナンの阿笠博士と呼ばせていただく。

 

 

「家族と電話かなー、楽しげやなー」と見ていたぼくに、阿笠博士は話しかけてくれた。

これは驚いたことなのだが、イタリア人の大半は英語を喋れない。

 

イタリア語と英語はなんとなく似ているからニュアンスの勝負にはなるけれど、通じないイタリア語でどんどん話しかけてくるイタリアーノの性格は、インド人のそれと似たものを感じた。

 

世間話をしていると、阿笠博士はGoogle翻訳を使いながらこう言った。

「夜まで時間があるなら、ドライブでもどうだい?バーリを案内してあげるよ」

 

「知らない人にはついていかない」というのは、小学生のみならず、旅をする上でも当たり前の話。

すぐさまぼくは、大丈夫だと話をそらす。

 

阿笠博士「どうしてだい?食べたいものがあるならなんでも食べさせてあげるよ。だからドライブしようよ、ね?」

このあたりからだんだんと距離が近くなってきた。

 

「おっさん、ゲイなん?ワイ彼女おるで」

「ちがうよ、ぼくはノンケさ。単純に君に奢りたいだけなんだ。」

指輪のついたおっさんの左手は、次第にぼくの股間にタッチするまでになっていた。

 

「いやええで。おっさん、みんなにこんな風にしとるんやろ。俺は大丈夫やから」

「いやいや、全員にこんなことするわけないだろ。君が好きなんだ。君のためならなんだってやるさ。」

もう一度念を押しておくが、これらの会話はGoogle翻訳を通して行なわれている。

 

笑顔を浮かべながら、とよしまのほっぺにチューする阿笠博士。もう止まらない。

この時点でもぼくは「あーーーこれがイタリアーノってやつかー。グイグイくるなー」と、我ながらの危機管理能力のなさ。

阿笠博士越しに見た青年2人組と、おじさんの反応を見て、やっと気付いた。

 

あ、これちゃうやつや。

みんな、目を見開いてドン引きしていた。

 

阿笠博士が必死だったところを半ば強引に話を切り、その場を後にした。

その後の展開を期待した読者のみなさま、申し訳ない。

まとめ

あまりに突然、そしてあまりにイタリアーノすぎて、思考が追いつかなかったとよしま。

別れ際の、イタリア語でぼそぼそと呟く博士の姿が忘れられない。

 

ごめんな博士、でも、股間触られながらメシ誘われてもそりゃあ行かないよ。

ぼくに向けた一連の言葉を、ぜひどうか、嫁さんにもかけてやってほしいとおもう。

 

一発目から衝撃のイタリア。

次回は花の都、ローマへ。

 

感謝